~ 整数論・表現論・組合せ論の架け橋 ~
情報理工学科の中筋麻貴教授と東邦大学理学部の武田渉講師は、対称関数の構造を持つ新しい対称多重ゼータ関数を定義し、その性質やこれまで知られていた通常の多重ゼータ関数との関係について明らかにしました。
この研究成果は2025年3月24日に 雑誌「Canadian Journal of Mathematics」にて発表されました。
中筋 麻貴(情報理工学科 教授)
武田 渉(東邦大学理学部数学教室 講師)
● シューア関数以外の対称関数の構造を持つ対称多重ゼータ関数を定義し、その基本性質を明らかにしました。
● 対称多重ゼータ関数の収束領域を具体的に与え、行列式(パフィアン)表示など代数的構造も明らかにしました。
● 整数論と組合せ論や表現論の橋渡しとなることが期待されます。
情報理工学科の中筋麻貴教授と東邦大学理学部の武田渉講師は、対称群、斜交群や直交群の対称関数に対応する新しい対称多重ゼータ関数を定義し、その性質やこれまで知られていた通常の多重ゼータ関数との関係について明らかにしました。
従来の研究では対称関数のうち、シューア関数の構造をもつ多重ゼータ関数のみが定義及び研究されており、行列式表示やピエリ公式と呼ばれるシューア関数で知られていた公式や多重ゼータ関数に特有の演算である調和積や積分表示など多重ゼータ関数由来の公式などが知られていました。
本研究では、シューア関数以外の対称関数の構造を持つ多重ゼータ関数を新たに定義し、その性質を明らかにし、シューア Q多重ゼータ関数のパフィアン表示や、斜交型・直交型多重ゼータ関数の行列式表示を導き出しました。パフィアンと行列式はどちらも行列に対する計算であり、解析的対象である多重ゼータ関数に代数的構造を与えたという成果となります。 このように、本研究は従来のシューア多重ゼータ関数の枠組みを超えて、他の対称関数に対応する多重ゼータ関数を新たに定義し、その性質を明らかにしたため、整数論と表現論や組合せ論の橋渡しとなることが期待されます。
【論文名および著者】
■媒体名:Canadian Journal of Mathematics(2025年3月24日)
■論文名:Symmetric multiple zeta functions
■オンライン版URL:https://doi.org/10.4153/S0008414X25000203
■著者:Maki Nakasuji , Wataru Takeda
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教授 中筋 麻貴 E-mail: nakasuji@sophia.ac.jp
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東邦大学理学部数学教室
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