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2021.04.02

理工学部物質生命理工学科の神澤信行教授と臼杵豊展教授がJST研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)トライアウトタイプに採択されました

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)は令和2年度追加公募(トライアウトタイプ:with/postコロナにおける社会変革への寄与が期待される研究開発課題への支援)の採択課題を決定し、本学より申請した以下2件の研究課題が採択されました。(採択日:令和3年3月31日)
採択結果のプレスリリースについては、以下リンクをご参照ください。

○採択結果に関するJSTプレスリリース
https://www.jst.go.jp/pr/info/info1496/index.html

A-STEPは、大学や公的研究機関等で生まれた研究成果の実用化を目指す研究開発フェーズを対象とした技術移転支援プログラムです。
トライアウトタイプでは、「with/postコロナ社会の変革」や「社会のレジリエンス向上」を含めた社会課題の解決に資する、大学等の研究成果に基づいた、開発ニーズを持つ企業等が着目する技術の実現可能性を検証するための試験研究を実施します。
事業の詳細については、以下リンク先のウェブサイトをご参照ください。

○JST研究成果展開事業 A-STEPトライアウト 事業概要
https://www.jst.go.jp/a-step/outline/tryout.html

1.
■研究課題名:コロナ感染後の炎症拡大抑制に向けたルテニウム錯体合成・最適化による
レニン・アンジオテンシン系関連遺伝子活性化経路の探索
■研究代表者:理工学部物質生命理工学科 教授 神澤 信行
・上智大学教育研究情報データベース:
https://rscdb.cc.sophia.ac.jp/Profiles/57/0005663/profile.html

■研究概要:本研究は、コロナウイルスに感染してもその後の炎症拡大につながらない様に炎症拡大自体を抑えるのではなく、私たちの体が持つ炎症抑制能力を活性化するような薬剤の解発の糧となるものです。通常はコロナウイルス感染後の炎症拡大の抑制には、サイトカインストームと呼ばれる免疫系の暴走を抑える薬剤が使用されています。我々は金属錯体が細胞に与える影響を調べる過程で、この錯体がレニン・アンジオテンシン系の遺伝子発現に影響を与える可能性を見出しました。またその経路は、積極的な炎症抑制の経路とは異なり、ウイルス感染時の予防という新しい視座につながるものです。研究では、これらの仮説を検証し、早期に社会に役に立つ情報を提供していきたいと考えています。

2.
■研究課題名:肺疾患診断用ELISA系構築に向けたデスモシン-タンパク質複合体抗原の大量合成
■研究代表者:理工学部物質生命理工学科 教授 臼杵 豊展
・上智大学教育研究情報データベース:
https://rscdb.cc.sophia.ac.jp/Profiles/67/0006622/profile.html

・上智大学 臼杵研究室
http://www.mls.sophia.ac.jp/~usuki/

■研究概要:弾性線維エラスチンの架橋アミノ酸デスモシンは、COVID-19の重症化を誘発する肺の疾患であるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)のバイオマーカーである。現状でのデスモシン測定法であるLC—MS/MS法を凌駕する簡便な手法として、ELISA測定の開発を目指したデスモシンの抗体作製が急務である。本研究では、当研究室で独自に開発したデスモシンの化学合成技術を基盤として、デスモシン-タンパク質複合体の大量合成法を確立することで、企業ニーズに応えるとともに、with/postコロナ社会に資するイノベーションインパクトを推進する。