この成果は、英国ネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)発刊の学術雑誌Scientific Reports(サイエンティフィック・レポート誌)に、2017年7月31日付のオンライン版で公開されました。
本手法では、セルロースを溶解できるイオン液体[C4mim]Clを用いて、サツマイモ葉に含まれるポリフェノール成分であるカフェオイルキナ酸を、これまでの有機溶媒による方法よりも最大6.5倍も多く抽出することに成功しました。カフェオイルキナ酸は、抗酸化作用や抗がん活性をもつほか、アルツハイマー病の原因であるアミロイドβの凝集阻害活性を有するなど、注目されている天然有機化合物です。今後、農業現場において大量に廃棄されるサツマイモの葉の有効利用に向けた実用化を推進します。
・[C4mim]Clを溶媒とすることでカフェオイルキナ酸を最大6.5倍も多く抽出できた
・塩析法によりカフェオイルキナ酸を[C4mim]Cl相から単離できた
・[C4mim]Clの粘性低下が抽出率向上の一因であることを明らかにした
雑誌名 : | Scientific Reports (サイエンティフィック・レポート ) |
論文タイトル : | Use of [C4mim]Cl for efficient extraction of caffeoylquinic acids from sweet potato leaves |
オンライン版URL : | www.nature.com/articles/s41598-017-07291-9 |
著者(共著) : | Toyonobu Usuki(臼杵豊展・上智大)、Shingo Onda(音田慎吾・上智大)、Masahiro Yoshizawa-Fujita(藤田正博・上智大)、Masahiro Rikukawa(陸川政弘・上智大) |
なお、本件については以下のとおり特許出願を完了しております。
出願番号:特願2014-092037 出願日:2014.4.25
発明名称:カフェオイルキナ酸類抽出方法及びオフェオイルキナ酸類製造方法
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臼杵准教授のプロフィールは こちら
上智大学 理工学部 物質生命理工学科
准教授 臼杵 豊展
TEL:03-3238-3446
E-mail:t-usuki[at]sophia.ac.jp ※[at]を@に変換
なお、こちらのニュースは上智大学HPにも掲載されています。