中筋研究室 (情報理工学科)
「ゼータ関数」のふるまいを探る
「ゼータ関数」のふるまいを探る
中筋 麻貴 教授

「素数」は、紀元前3世紀頃のユークリッド以来、長年にわたり数学好きを魅了している研究対象の一つです。「n番目の素数の見つけ方はあるのか」という問をはじめ、素数に関連する未解決問題や予想がいまなお数多くあり、これらに対する多くの研究が世界中でなされています。
この素数解明の研究の中心に「ゼータ関数」と呼ばれる関数があります。ゼータ関数には様々な種類があり、素数に直結するリーマンゼータ関数、素数の幾何的類似(スペクトル)に関係するセルバーグゼータ関数、変数を増やして拡張した多重ゼータ関数などが知られており、各々の関数の挙動が研究対象として興味を持たれています。
本研究室では、これらのゼータ関数に対し、他分野の研究対象との関係の発見と、それに関わる新しいアプローチ法の導入や意味づけをする研究に取り組んでいます。
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数学の研究に文献検索はかかせません。数学専門の図書室には豊富な専門書が揃っています。
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ゼミでの発表を通して理論の理解を深めます。
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数式の意味するところを1行ずつ深く理解するための議論も活発に行っています。
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研究成果をゼミで発表します。
研究例
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Schur 多重ゼータ関数の挙動の解明Schur関数と呼ばれる対称関数の構造を持つ多重ゼータ関数を導入し、その挙動について数論および表現論の双方から解析しています。
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ワイル群多重ディリクレ級数の解明ゼータ関数の一般化かつ多重化である多重ディリクレ級数のうち、ワイル群に関係する関数等式を持つ級数について解析しています。