-
理工系の学生にとっても、語学力は大変重要であり、社会に出てから英語を使う頻度は文系出身者より高いと言われています。上智大学では、さまざまな留学のプログラムが用意されており、グローバル教育センターが皆さんの留学をサポートしてくれます。機能創造理工学科からも多くの学生が、短期から長期の留学へ旅立っており、半年間の一般留学を経験し4年間で卒業した学生、および理工系学生のための海外短期研修(理工英語コース)に参加した学生の体験談をご紹介します。是非、機能創造理工学科へ入学し、上智大学の特色ある留学プログラムを利用して、学びの場を世界へと広げて下さい。
上智大学 グローバル教育センターhttps://piloti.sophia.ac.jp/jpn/studyabroad/about_center/
-
岩井 遼斗 Ryoto Iwai (2014年秋・米国)
-
3年の秋学期にノースカロライナ大学シャーロット校 (University of North Carolina at Charlotte, UNCC) へ一般留学をした体験談を書かせていただきます。理工学部で留学を考えている方の参考になれば幸いです。一般留学のきっかけは2年の終わりに参加した同校の理工学部向けの短期プログラムでした。UNCCには英語圏の出身でない学生用の語学学校が付属しており、短期留学中にそこの長期プログラムの紹介がありました。さらに英語を集中して学んでみたいと思っていた私は、もう一度同校に戻って参加することを決意しました。
上智にはいくつか留学する方法がありますが、いずれの場合も理工学部の卒業に必要な単位に換算することができません。理工学部で卒業を遅らせることなく半年留学するためには、実験や卒業研究がない3年の秋学期に、休学せずに留学するしかないと考えました。3年の秋学期の必修科目はゼミナールしかないため*、担任の先生と相談して4年の秋学期にずらしてもらいました。当初は交換留学を考えていましたが、事前の申し込みと審査が必要なため一般留学を選択しました。一般留学は入学の申し込みやアパート探し、ビザの申請や資金集めまで全て自分で行う必要がありましたが、それも非常に良い経験になったと思います。
UNCCの授業は8月の下旬から始まり12月の中旬まで続きました。授業は週に4日で、大学の入学・編入を目指した読み書きや文法の授業を主に組まれていました。その他にもフットボールや社会問題についての討論など、アメリカ特有の授業がありました。日本人の少ないプログラムをあえて選ぶことができるのは一般留学のメリットだと思います。私の場合も、クラスメイトの大半を中東や南米、アフリカの学生が占めており、常に英語を使い続けることができました。授業がない時間は友達とアップタウンへ行ったり、大学院入試の勉強などをして過ごしていました。また留学中はガイダンスなどにも出席できず、上智での情報入ってこなかったため、まめに学科の友人と連絡をとったりLoyolaの掲示板をチェックするようにしていました。
理工学部で留学を思いついたらまず、担任の先生に相談してみるのがいいと思います。それによって卒業までの単位の取り方などを具体化することができ、安心して留学を実行できると思います。帰国後は留学中に履修できなかった学科専門科目やゼミナールをとりながら大学院入試の準備や卒業研究などを行いました。卒業まで忙しい日々が続きましたが、理工学部での4年間を非常に充実させることができました。
(*)2016年度現在では、3年次秋学期のゼミナールという必修科目が無くなり、より留学しやすい環境が整いました。
-
岩沢 萌生 Moegi Iwasawa (2015年・米国)
-
私は2015年の2月後半から3月中旬までの3週間、ノースカロライナ州のシャーロットというところへ留学のために行きました。 参加しようと思った理由は、旅行でしか海外へは行ったことが無く、実際に現地の人と話したり、現地の人の生活を知ったり、アメリカの文化に触れたいと以前から考えていたからです。
この留学のプログラムにはバスケットボールの試合観戦、日本人の社長さんの自動車の部品を製造している会社の訪問、スピードウェイという車のレース場の見学などが含まれていて、どれも興味深いものでした。また、シャーロットに留学している国籍がアメリカではない人にも会うことが出来、アメリカのグローバルさを実感することが出来ました。アメリカは犯罪が多い国というイメージが強く、少し怖いのかなとも初めは思いましたが、実際にアメリカ人の友達が出来てその考えは変わりました。もちろん場所によって治安は変わりますが、気を付けていれば特に問題はありませんでした。学校の先生、宿泊先のスタッフ、このプログラムのスタッフの方々、友達になった大学生は親切な人ばかりで、友達とは学校のあとに一緒にご飯を食べに行ったり、お家へ遊びに行ったりしてとても楽しい時間を過ごしました。そうしていくうちに英語でコミュニケーションをとることが楽しいと感じられるようになりました。初めて本当の英語を使ったと思いました。また、インド人の友達ができましたが、会話するときは英語でした。お互いネイティブではない言語でコミュニケーションをとることの新鮮さ、それと同時に英語の世界共通言語という偉大さも感じました。この留学に行ったからといって英語が話せるようになるかはその人次第ではありますが、私はこの留学をきっかけに英語の学習に日ごろから時間を費やすようになりました。3週間という短い期間ではありましたが、アメリカの文化に触れ、英語を使ってコミュニケーションをとる楽しさ、大切さについて学ぶことができ、本当に良かったと思っています。
-
吉田 匡寛 Masahiro Yoshida (2016年・フィンランド)
-
3年の秋学期にフィンランドにあるヘルシンキ大学の理学部 (University of Helsinki Faculty of Science) に一般留学しました。この留学体験記が海外に興味のある方、留学を検討している方の参考となれば幸いです。 留学したいと思ったきっかけは、もともとは専門にしたい分野を海外でも学びたいというものでしたが、先輩方の交換留学体験記を閲覧したり、一般的に留学を経てどのような発見を得られるかなどを自分で掘り下げて調べたりしていくうちに、いつの間にか日本と海外における学問へのアプローチの仕方の違いに興味が移っていました。日本の教育と海外の教育の違いがよく比較されることは知っていたのですが、その違いを自分自身で実際に体験することで本当の意味で理解したいと考えていました。フィンランドは教育水準が世界トップクラスであり、公用語がフィンランド語とスウェーデン語だけであるにも関わらず、国民のほとんどが英語に堪能な国であり、何故そのような水準の高さを得られたのか、またそこから前述のアプローチの仕方の違いも分かるのではと考え、留学先をフィンランドに決めました。
交換留学とは違い、一般留学では上智大学と協定を結んでいない大学にも出願できる利点がありますが、関連する手続きや準備を自らで行わなくてはなりません。幸いにもヘルシンキ大学の事務室の対応はとても早く、向こうの休暇期間を除けば、大学側との連絡や出願の手続きを滞りなく行えました。また、在日フィンランド大使館への在留許可の申請も、手続きのうちのほとんどがインターネット上で可能で、大使館へ出向く際にはパスポートの確認などの簡単な作業のみでした。しかし、最も苦労したのが住居探しでした。現地に寮への入居を学生に斡旋する団体があるのですが、そこは世界各国から来る交換留学生を優先的に割り振るので、私のような交換留学生でない学生は後回しにされてしまうのが現状でした。代わりに民泊サイトで住居を探しました。
ヘルシンキ大学ではクオーター制 (I期:9〜10月 II期:11〜12月 III期:1〜3月中旬 IV期:3月中旬〜5月) が採用されており、理学部では1科目につき週3回の授業が開かれ、うち2つが講義、1つが演習という場合が主流でした。英語による講義 (ほとんどが院生向け) もあり、私は宇宙論に興味があったのでI期とII期にそれぞれ履修しました。理系の授業で参加者の半分が留学生というグローバルな状況を予想しておらず、その光景に驚いた一方で、彼らの授業に対する熱心な態度に今まで感じたことのない新鮮な刺激を受けました。また、大学で行われている日本語の授業にTAとして参加することで、教授でも学生でもない第三者の立場から授業を体験することができました。自分が中学生の頃から体験してきた外国語教育とは違い、そこでは文法や読解能力の向上ではなく、学生同士のロールプレイングによる日常会話やコミュニケーション能力の向上が主眼に置かれていました。聞けば小学校の頃から一貫してこのスタイルで行われているということでした。学力の要素としての「言語」という今までの認識と、コミュニケーションツールとしての「言語」という彼らの認識は、全くの別物であることを痛感させられ、ここにアプローチの差異や高水準の理由を見つけることができました。
帰国後、宇宙論を学科専門科目、週1回で履修していたフィンランド語を一般教養の語学科目として単位換算することが出来ました。また、留学をすることで卒業時期が自動的に延びてしまうことは避けたかったので、出発直前の段階 (3年春学期終了時) で卒研に配属されるための必要な単位数を満たせるように2年の春頃から履修計画を担任の先生と相談した上で決めていました。そのおかげで帰国後には問題なく、自分の希望する研究室に入ることができました。
さらに、今回の留学では取得単位数の下限が特に無かったので、それだけ自由度の高さがありました。その空いた時間を活かして、スウェーデンやデンマーク、エストニアに旅行に行ってフィンランドとはまた違うそれらの雰囲気を味わったり、友人と自国の文化を紹介しあいながら交流を深めたりなど、密度の濃い時間を過ごせました。何より、探していた「答え」を得られたことで物事に対する考え方の新たな発想も得られ、それはこれからの様々な場面でより多くの選択肢に目を向けさせてくれるものになるだろうと考えています。
-
山田 貴大 Takamasa Yamada (2017年・オーストラリア)
-
私は3年の秋学期にオーストリア連邦、メルボルンにあるディーキン大学に半年間、交換留学しました。この留学体験記が海外に興味のある方、留学を検討している方の参考となれば幸いです。上智大学には留学の手法がいくつかあります。その中で「交換留学」は留学先の大学に学費を払うことなく、上智大学のみの学費で留学可能な財政的に優しい仕組みとなります。しかし誰でも交換留学できるわけではありません。大学の試験の成績(GPA)が一定レベル必要で、きっちり大学の勉強をする必要があります。私は留学は入学時から考えていましたが、留学を考えているなら一人で計画を練るのではなく、まず学生センターや留学カウンセラーに連絡を取ってみるとよいと思います。相談することで単位の取り方(留年しないように)、費用も計画的に準備できます。
私は交換留学に加え、JASSO(日本学生支援機構)から一か月7万円の給付型奨学金をいただくことができましたので、アルバイトで貯めたお金と合わせて、親の支援なく留学が実現できました。国からスーパーグローバル大学に指定されている上智大学の留学環境を最大限活用させていただきました。留学したいと思ったきっかけは2つあります。一つは、なんといっても英語のレベルを上げるためです。(やはり上智ですし)2つ目は、留学経験者がよく履歴書に書く、「日本を客観視できる能力」を得たかったからです。その点で、私は近年留学生受け入れに力を入れているオーストラリア連邦を選びました。イギリスやアメリカが人気なので、皆と違う場所を経験したかったというのもあります。
留学期間は8月中旬から2月の中旬までの半年間。授業は週5日で、その中には、IELTSコースなどの英語公的試験の対策や、General English コースという英会話のコース、メルボルンシティーの歴史観光など、留学生にとって嬉しいコースがたくさんありました。英語を習得するという目的達成のため、当初日本人を避けたことで孤立してしまい、辛かったこともありました。しかし他国の留学生との寮でのパーティやルームフレンドとの交流、サークルの友達、クラスメイトと程なく打ち解け、みな親切な人ばかりで、数え切れないほどの国の様々な友達ができ、充実した毎日を送ることができ、結果として日本人を避けたのは正解だったと思えます。
また、他国の人が今の世界をどのように考え、どのように行動しているのか、人によって様々ではありましたが、それを沢山知ることができ、私の中の世界が確実に広がったと感じます。「理系なのになぜ留学しているの」と多くの人から言われましたが、理系だからこそ留学し、外の世界を見る意味があると私は思います。ただ、理工学部で長期留学を経験して留年せずに卒業するのは努力が必要なので、しっかり準備することをお勧めします。私自身この経験で、英語のスコアだけでなく、色々なものを得て一回り成長できたと確信しています。いいですよ~留学。是非お勧めします。
-
金子 眞紀子 Makiko Kaneko (2022年・米国)
-
私は、3年生の秋学期に半年間、アメリカ合衆国オレゴン州ポートランドに交換留学をしてきました。上智大学では機械工学を専攻していますが、現地ではTheater学部という専攻を選び、舞台や映画の制作を学んできました。このように、自分の学びたいことを素直に学ぶことができる上に4年間で次のステップに進めるという点で、私は交換留学を選択しました。機能創造理工学科としては珍しい選択をしたので、留学を考えている皆さんの可能性が広がるきっかけになれば幸いです。
ここでは、他の方々が記述されている「交換留学に関する単位について」と、「私の経験」をお伝えできればと思います。交換留学では、単位を換算することができます。そのためには、留学先で受ける授業が、上智大学で開講されている授業とマッチしている必要があります。必修や選択に限らず、シラバスに記載されている内容が似ているもの同士であれば上智大学の授業の単位として認めてもらうことができます。2つの授業が1つの授業に換算されることもあり、大学や学科でも様々な対応をしてくださるので、両大学のシラバスを見比べ、学科の先生と相談してから留学先の履修を進めると安全です。一方で、私のように上智での専攻と全く異なるものを選んだ場合、必修科目を換算することは難しいです。(一般教養なら可能な場合があります!)その場合は、卒業を遅らせたり留学期間を短くしたりする等の選択肢があるので、学科の先生や学生センターと相談することをお勧めします。
留学先での生活は、現地の大学生と2人部屋の寮に住み、月~金まで授業を受けるという日々を送っていました。アメリカの授業は、座学というより実践的なものやチームプロジェクト型のものが多く、初めは苦労しましたが、アクティブに学ぶことができました。私は、Theater学部で、実際に公演される舞台や映画のチームに入り、ディレクションや音響、照明、衣装、舞台装置等のポジションを経験し、それらの仕組みを学んだり、自分で企画プロデュースをしたりということを行っていました。夜は、日本の就職活動に勤しんだり、ルームメイトとガールズトークをして盛り上がったりしていました。週末には出かけることもありますが、私の大学ではほとんどの学生が休日でも半日は勉強をするという選択を取っていたので、私もそのような生活スタイルをとっていました。遊びの面では、友人とドライブに出かけたりピクニックをしたり、夜にライブや観劇に出向いたりすることが多く、とても楽しかったです。
渡米後1ヶ月ほどは日本に帰りたくて仕方がないほど辛く、思うようにいかない日々でしたが、前向きに人と関わり続けたからこそ、今では大好きな友人が沢山いて、居心地の良い大切な第二の故郷です。ちなみに授業は、録音をしてそれを聞きながら復習をするのがお勧めです!留学、というよりは日本を離れるという経験は本当に貴重です。日本ほど、ほぼ全ての人が同じ人種で、社会の秩序が強く、多くの人の間で共有される当たり前が存在する国はそうないと私は感じています。みんな違う、だからいい。だから、自分が自分であること、それを発信することに臆せず前向きになれると思います。私は、そんな経験をしてきた今の私がとても好きです。今、一歩を踏み出そうとしているあなたの背中を私に押させてください!質問等あれば、先生方経由でも良いですし、是非連絡をもらえると嬉しいです!