
応用化学領域 博士前期課程2年の里川 健さんが、公益社団法人 自動車技術会の2026年度 自動車技術会春季大会 学術講演会 優秀講演発表賞を受賞しました。
同賞は、自動車・モビリティ分野における国内最大級の学術会議である自動車技術会春季大会において授与される賞です。口頭発表の質、スライドの質、論文の質について、聴講者および座長による評価をもとに審査が行われ、学術講演運営委員会の審議を経て選出されます。受賞者は発表者全体の約2%に限られる選抜性の高い賞であり、2026年度は産業界から4名、アカデミアから4名の計8名が選出されました。なお、学生としては唯一の受賞となりました。

今回の受賞は、「高圧衝撃波管によるETBE着火抑制作用のベース燃料依存性評価」に関する研究発表が評価されたものです。
受賞にあたり、里川さんは、「この度、大学院での研究生活の集大成としてこのような栄誉ある賞をいただき、大変光栄に思います。これまでご指導くださった先生方、共に研究に励んだ研究室メンバーの方々、そして本研究の遂行にあたりご支援を賜りました石油連盟および日本自動車工業会の皆様に心より感謝申し上げます。来年4月からは自動車開発に携わる技術者として新たな一歩を踏み出します。大学での研究を通して培った探究心と挑戦する姿勢を大切にし、人々の暮らしに喜びや豊かさを届けられる技術者を目指して、これからも研鑽を重ねてまいります」とコメントしています。
カーボンニュートラル(CN)燃料として期待されるETBEには、エンジンの異常燃焼(ノッキング)を抑え、環境性能を高める働きがあります。本研究では、いくつかの次世代ガソリン候補にETBEを加えたときの燃焼(着火)特性を調べ、同じCN燃料であるエタノールの添加効果と比較することを目的としました。
エンジン内の高温・高圧状態を模擬できる『高圧衝撃波管』という特殊な装置を用いて実験を行うことにより、ETBEとエタノールでは自着火を抑える(アンチノック)効果や燃料による影響の現れ方が異なることを明らかにしました。さらに、大規模反応シミュレーション行うことにより、2つのCN燃料の添加効果の違いを分子レベルで解明することに成功しました。この成果は、2030年に市場投入予定の次世代ガソリンのレシピ決定に大きく貢献するものと考えられます。