Dean’s Message 05 理工学部について高度な専門性と柔軟な応用力を身に付けた理工系人材が、社会のあらゆる分野で求められています。そして、そのような社会の要請に応えるため、多くの大学の理工系学部では、多様で魅力的な学びの場が提供されています。それら数ある理工系学部の中から、上智大学理工学部の案内を手に取っていただき有難うございます。「総合大学として幅広い視野を持つ人間を育成する」という上智大学創立以来の目標を実現するため、上智大学理工学部は、本学創立から50年を経た1962年に開設されました。その後、研究所の設立や施設の拡充、大学院の開設と整備などを重ね、2008年に現在の3学科体制となって今日に至ります。このような半世紀を超える歩みを経て、上智大学理工学部では、「理学と工学とを融合し、文科系と理科系の垣根を超えた知識と知恵=複合知の修得」と「英語教育の充実と国際的視野の養成」を柱として教育を行っています。生成AIの登場は、仕事に対する私たちの向き合い方だけでなく、社会の在り方そのものを根本から変える力を秘めています。また、深層学習をはじめとする高度な情報技術は、誰も想像しえなかったサービスを日常生活にもたらし、さらにその発展が情報技術や関連技術の新たな芽を育むという循環が続いています。このような科学技術の急速な変化と発展に柔軟に対応できる人材とは、高度な専門性を備えるとともに、理学・工学にまたがる学際的・融合的な分野にも精通した人材に他なりません。また、科学技術の発展と表裏一体でもあり、ますます複雑化する現代社会の諸問題の解決には、文科系と理科系の垣根を超えた鋭敏な問題意識と判断力を備える人材が求められます。この理工融合・文理融合に立脚した「複合知」の修得こそが、上智大学理工学部での学びの核心です。英語教育に関しては、科学技術に特化した英語を系統的に学ぶプログラムを大学初年次から導入するとともに、海外短期英語研修を年2回実施しています。また、グリーンサイエンスコース・グリーンエンジニアリングコースの開設(2012年)、大学院のグリーンサイエンス&エンジニアリング領域の設置(2013年)により、組織としてのグローバル化も大きく進展してきました。これらのコース・領域では、世界中の国や地域から集まった学生に対して英語による授業が行われています。このように、上智大学理工学部では、全ての学生が日本に居ながらにして多文化の中に身を置くことができ、英語を通して論理的に考える力や英語でのプレゼン能力を向上させることができます。そして、本学の「他者のために、他者とともに」の精神に基づいて人と人との交わりを大切にすることで、グローバル社会での活躍に不可欠な素養を身に着けることができます。環境破壊や未知の感染症との戦いといった地球規模での問題が絶え間なく起きる今、私たちの誰もが、社会の一員として人類と世界の発展に奉仕する者を目指さなければなりません。上智大学理工学部では、本学の建学の理念である「叡智が世界をつなぐ」の下、大学で学んだ叡智を社会に還元できる人材の育成に力を注いでいきます。また、先の見通せない時代の中で皆さん一人ひとりが自身の夢をつかむために、その道筋を自ら発見できる人になって欲しいと願っています。私たち上智大学理工学部教職員はそのための学びの場を用意し、皆さんとお会いできる日を心待ちにしています。理工学部長情報理工学科 澁谷 智治 教授 理工学部長からのメッセージ
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