研究室研究室紹介2つのルテニウムから成る錯体の創製-金属を含む酸化酵素の反応部位の探究-■ 三澤研究室(物質生命理工学科)金属化合物を創り、化学結合を切る・つくる場所として使う2314コバルトや鉄を用いた錯体の開発-水などの分子を酸化する材料の研究-三澤 智世 准教授271合成した金属化合物(錯体)の電気化学測定を行っています。 2溶媒を減圧濃縮し金属錯体を粉として取り出しています。 3金属錯体の結晶構造をX線測定により明らかにします。 4金属錯体の合成中に反応の様子を観察します。自然界、生体内、産業界、いずれでも、金属を含む様々な配位化合物(=「金属錯体」)が、適材適所で役割を果たしています。自然界(常温・常圧)で、「金属錯体」を反応点として持つ「金属酵素」が行う効率的な反応は目を見張るものがある一方で、高い反応性ゆえに人工的に模倣するにあたっては困難もあります。天然にみられる構造を意識して、私たちは安定性と高い反応性の双方の観点か研究例天然に存在する、鉄を含む酵素内の金属周りの構造を、安定に取り出せるルテニウムにより模倣し、構造や性質を評価しています。ら、目的に応じてルテニウム(44Ru)、鉄(26Fe)、コバルト(27Co)を用いて錯体を設計・合成し、構造や性質、反応性について調べています。なかでも、一分子内に2つ(以上)の金属をもつ金属錯体の多様な構造や、そこから導かれる多彩な物性、反応性に惹かれて日々研究しています。みなさんと“天然に真似(学)び、天然を超える”錯体を創れる日を心待ちにしています。分子内に1つまたは2つ以上のコバルトや鉄を含む錯体を合成し、光合成で最も困難とされる水の酸化反応等への利用を目指しています。
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